今も心に残る菜の花の思い出

以前、愛知県田原市という場所でで仕事をしていたとき、職場が「菜の花運動」に参加していた。
そのため、10月頃、所長に種まきを頼まれたことがあった。

しかし、職場の土地は花を咲かしたりできるような改良土では全くなく、意思や砂利だらけで雑草も多かった。

「そおかぁ。あんまり、積極的ではないけど、一応やっていますという報告は必要なんだろうな」
と思ったけれど、どうみても、綺麗に咲く光景など、思い浮かばなかった。

 そんなとき、出入りしている業者さんたちが、親切にも土地の草をすべて刈り取り、私も毎日外にでて、残った細かな作業や石の撤去などを行った。
地味な作業だったけれど、仕事の合間にひそかに行われたみんなの心の作業は、翌年の菜の花の開花によって報われたのだった。普段は鉄くずのコンテナや業者の車、工具の倉庫などで「仕事場」としての雰囲気しかなかった職場に、可憐な花を咲かせた緑色が加わると、なんとも心和む風景となった。

私は契約社員だったため、作業だけしてその菜の花を見ないまま職場を去ったのだけれど、
作業者だった人の一人が、私にメールで写真を送ってくれたときには、感無量だった。

少しの間だったけれど、心通う仕事を確かにした、そんな関係を築けたことも嬉しかった。